地球温暖化防止条約締結のための京都会議が無事(?)終了しました。日本の姿勢や思考方法が如実にでたことは確かなようです。なによりも担当者が綿密に積み上げたものだという日本の当初目標5%は原子力発電所をあと20基つくることを主要策としている話を聞いてなにか背筋が寒くなる思いでした。一方で夜間の自動販売機やコンビニの明かりを槍玉に挙げるテレビの些末な議論にも閉口しました。 さて今回取り上げるのは昨年の春に実施された、九州電力が建てる実験住宅「九州の家Eキューブ」のためのコンペ案の紹介です。このコンペは2段階方式でおこなわれ1次を通過した5者(積水ハウス、大成建設、設計事務所3)によって争われました。結果は優秀賞2点が選出され私どもの案が実施案に内定しました。残念ながらしばらくして話は立ち消えとなり現在に至っています。 求められた提案は九州地区にふさわしい住宅であり、かつ優れた省エネルギーと環境共生の考え方をもったデザインでした。特にエネルギーデザインをテーマの中心に据えたという点で貴重なコンペだったと思います。京都会議の結果を受けて、これから住宅における暮らし方、エネルギー利用、性能、設計手法などにも変更が余儀なくされるのではないでしょうか。ということ今回は提案の概略の紹介を。次回以降エネルギーなど各論を紹介します。 |
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近未来生活創造館12のコンセプト ・十字型プランシステム ・可動住空間 ・皮膜架構 ・自然基調システム ・ストレスレス住宅 ・エコ・インテリア ・加齢配慮住宅 ・傘庭 ・十字柱構法システム ・トリプル配電システム ・ハイブリッドアクアシステム ・対話型パソコン管理 |
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結局この案が単独で最優秀案にならなかったのは、旗が気に入らなかったせいらしい。コンペでは大学の先生などデザインをしない人はデザインにクレームを付け、設計系の人は技術的なクレームを強調する傾向にあるようで、ここでもそんな感じでした。ちなみに旗は住む人が風を判断するためのもの、その下の円盤はアンテナです。 |