最小限住居・M邸
増沢洵氏が1952年に建てた自邸。住宅全体が3間四方の9坪、この障子のある吹き抜けの高さはわずか4メートルほどである。人にとって真に必要な空間とはこの程度なのかと改めて考えてしまう。このころ建てられた住宅の名作を読み解いてゆくと共通してプランや構造に筋の通った合理精神がある。今では希有になった設計者の良心が垣間みられるのである。
(2000/8)